第5話:クレイとツール

こないだ、幕張メッセの駐車場で野外コンサートを開い20万人を集めたグループって・・・
それは、『GRAY』、 これから説明するのは、『CLAY』でしょ!
とかなんとか、しょうもない始まり方をしてしまいましたが・・・お許し下さい。

今回は、作業の話はひとまずお休みにさせていただいて、使用するクレイ(粘土)と、その粘土をきれいな形にしていくためのツール(道具)の話をしていきます。

まず、クレイについての説明からしていきます。
ムークで使っているクレイには、2種類有ります。
右の写真を見てください。茶色いのが『IDクレイ』で、黒いのが『レオン油土』と言います。なぜ、2種類のものを使っているかって…
1番はコストの問題です。『レオン油土』は『IDクレイ』よりかなり安いのです。しかし、『レオン油土』は車のような大きいものを作るにはかなりのテクニックを必要とします。なぜなら、柔らかいからです。夏なんかはタレパンダのようにぐったりしてます。ですから、ツールの使い方が悪いと物になりません。

うちのチーフデザイナーは、もともとホンダにいてクレイモデルの神様として今でも語り継がれているそうです。ですから、いとも簡単に『レオン油土』を手なずけてしまいます。ちなみに私も悪戦苦闘しながら『レオン油土』とたわむれています。

一方、『IDクレイ』はかなり硬い為、ツールが使いやすく正確な形状が出しやすいのです。また仕上がりの状態もかなり奇麗でそのまま塗装が出来る為、製品の評価に適しています。『プリティ・キャロル』のページの車の写真はクレイを白色に塗装した物を使っています。

どちらのクレイも、最初にクレイベースにつける時は作業をしやすくする為にヒーターで暖めて、お餅のように柔らかくしてから使います。ヒーターは、大きい会社では専用のものを使いますが、ムークではダンボールを改造した箱にドライヤーを取り付けて代用しています。その他、ジャー(炊いたお米の保温用)でも代用が利きます。

次にツールについてですが、論より証拠・・・右に写真を見て下さい。

通常、グリップの部分と刃の部分で構成されています。右端のツールは特殊なもので、連続する内コーナーを作るのに非常に便利です。
ちなみに刃の部分は非常に鋭利で簡単に手も切れます。刃の切れ味が悪いと作業もし難いし、出来上がりも悪くなってしまいます。やはり何事も道具の手入れが大切と言う事ですね。

左の二つが内コーナー用のツールです。コーナーのR(半径)の違いに合わせていくつかのタイプがあります。特に穴を掘ったりするのにはスグレモノです。

中の四つが平面用で、削る面の大きさによっていろんな幅があります。また、奥まった面を削りやすくする為、刃先の角度が斜めになった特注のものもあります。(右下写真)

以上、簡単ではありましたが、クレイとツールについて説明いたしました。それと、ツールの写真が少しい見にくくてすみませんでした。
次回からは、いよいよクレイベースにクレイをつけていきます。CAROLではメーカーレベルの仕上がりが必要とされているので、ここは一丁奮発して『IDクレイ』を使う事になりました。・・・こうご期待!

…次回に続く