第4話:モデル作り(その2) <クレイベース作り>

最初に!
今回、第4話が出るまでに時間がかかった事をお詫び致します。
ちょっとだけ言い訳をしますと・・・
『プリティ・キャロル』のパーツ販売をムークでも行うことになりました。
商品名は、ご存知とは思いますが『CAL』&『CAL COOL』です。
本来、オートザムだけで完成車として販売する予定でしたが、思わぬ事態が発生したのです。その事態の事については、おいおいこのコーナーの中で書いていきたいと思っています。
と言うわけで、報道関係者向けの発表用資料を作ったり、ホームページに『CAL』の内容を加えたり、あとはエアロパーツメーカから依頼されたデザインのマスター型を作ったりしていました。(今回は、日産ラルゴでした)・・・・これにて言い訳終了!
さて、デザインの話に戻しましょう!

いよいよ、イラストで描いたデザインが良いものかどうか判断するためのクレイモデル作りが始まりました。 車にクレイ(粘土)つける前準備として行う作業を今回ご紹介します。この作業のことをクレイベース作りと言います。
順を追って説明しましょう。

STEP1:車の水平をだす。

車はサスペンションで車体が宙に浮いているため、止まっている状態でも前後左右のどちらかに傾いています。
また車を正確に水平にし、確実に固定していなければ、クレイの重みで車が傾いてキチンとラインの整ったデザインが出来ません。
そこでまず、車を定盤と言われる水平な台の上に載せます。その時のポイントは、定盤上に専用の測定機器が動くためのレールがあるのですが、そのレールに対し真っ直ぐになるようにする事です。
定盤の上に車を載せ終わると、今度はジャッキもしくは作業用のスタンドを使って車体を固定します。この作業がなかなか神経を使う作業で、結構時間がかかってしまいます。
ここまでの作業が、モデルを作る上で最も重要です。ここで手を抜いていると後で大変な事にりますし、製品としても左右対称が出ていなかったりと、品質の悪いものになってしまいます。

STEP2:クレイをつけるための骨格を作る。

これもまた繊細な作業です。心臓に毛が生えるような感じがします。
右の写真のように出来るだけクレイの盛る量を少なくするために、最終のデザインに近い形のものを作ります。
今回は、ベース車の『キャロル』のバンパーと旧『キャロル』のバンパーを組合せて作りました。ベース車の『キャロル』のバンパーを利用した訳は、取付面を量産品と同じにするためです。裏側は、クレイの重さでも落ちないように補強がなされています。
この他にも骨格を作る方法として、市販されているエアロパーツを使ったり、一から発泡スチロールや木材を使って作ったりもします。

これで、クレイベースの出来上がりです。 クレイを削ったりする作業に比べれば地味な作業ですが、実は一番重要な作業でした。 ムークではこの作業を1パーツ当たり、1~2日でやっています。
次回よ、いよいよクレイを車につけていきます。8月末の予定です。

…次回に続く